たった二つしかない短調(悲しい感じ)。
今日は、先回につづいて もうひとつの短調作品、
「大ト短調交響曲」です。
モーツァルトは、晩年モーレツな勢いで
三つの交響曲を作曲しました。
1788年6月・・・第39番。
同じ年の7月・・・40番。(これが大ト短調)
さらに8月・・・41番。
(なんと、ひと月に一曲ずつというハイペース!)
3曲セットで構想されたらしく、まん中の40番が短調なのは、
「変化・転換」を表すためだったと考えられています。
実は、この頃のモーツァルトは、立て続けに身内の不幸に見舞われていました。
1785年に父レオポルトが死去。
翌年には、娘が生後まもなく腸閉塞で亡くなっています。
人間モーツァルトと、神童モーツァルト。この間にはいったい何があるのでしょうね。
彼の音楽を聴いていると、厳しい現実や深い悲しみも
一段高いところから見つめている目を感じるのですが、
みなさんはいかがでしょうか?