「チューリップ」を弾くことになった、
5歳のMちゃん。エレクトーンで初出場です。
「チューリップ」は、以前からお気に入りの曲。
発表会で弾くならコレ!と、決めていました。
エレクトーンの音色は、とてもバラエティに富んでいます。
その曲のイメージやアレンジに合った音が、演奏が進むにつれ
自動で出てくるように、あらかじめ組み込まれているのです。
たとえば、
「咲いた、咲いた、チューリップの花が」のところは、フルート。
「どの花見ても、きれいだな」のところは キラキラ音、と言う風に。
イントロから、ゴキゲンでエレクトーンを弾いていた
Mちゃんでしたが、次の間奏のところでパッと顔をくもらせ、手を止めました。
「せんせい、この音こわい…」
「え?」
それは、ティンパニとコントラバスをミックスした太い音。
小さく可憐だった音色が、急にドンドン!と大きく響く音色に
変わるところなのでした。
「そうやね。確かにちょっとこわいね」
Mちゃんは、無言でうなづきました。
「ここはね、いろんな動物さんが出てくるところなんだ」
「ライオンやゾウさんたちも、チューリップ見たいって
みんな原っぱに出てきたから、すごい音がするんやよ」
その次のレッスンで、また「チューリップ」を練習したMちゃん。
また、例のところで「こわい」と言いましたが、先週とはちょっと違ってました。
「ここはトラさんが出てくるから、こわい音やねん」
ひとりごとを言いながら、演奏を続けてくれました。(^^)
いろんな音が出てくるよね。
いろんな音やから面白いんやね、Mちゃん!
チューリップ、最後までがんばろう。