ドアを半分あけて、何やらこちらをうかがっている様子…。
ーMちゃんどうしたの?入っておいでよ。
ー今日はおともだち連れてきてん。
ーへえ?誰かな。
ーくうちゃん。
見ると、腕にぬいぐるみのクマをだっこしています。
ー今日は、エレクトーン弾くところをくうちゃんに見ててもらうねん。
ここで、すかさず私はくうちゃんの声に変身!
ーくうね、ここに座って聴いてるから、Mちゃんがんばって。
Mちゃんは、とてもうれしそうに「きらきら星」を弾き始めました。
いつにも増して、真剣な顔つき。
ちょっとミスはあったけど、さいごまで弾き切りました。
椅子からおりて、ていねいにお辞儀。
ーぱちぱちぱち。Mちゃん、とってもじょうず。
ーありがとう。くうちゃんも静かにしててえらかったね。ごほうびに、おやつ。
ーわーい!
Mちゃんは、自分のレッスンバッグから毛糸でできたポンポンを出して、
ぬいぐるみの口もとに持っていき、食べさせるかっこうをします。
ーおいちい。もっと。
ーそんなに食べたらだめでしょ。あとはおうちでね!
急にママみたいな口調になるところがおかしい。
私は先生にもどって、
本番のクリスマス会、きっと大丈夫、と言いました。
Mちゃん、ちょっとほっとした顔をしました。
みんなの前で本格的に演奏するのは、今回のクリスマスがはじめてなのです。
Mちゃん。当日もこんな感じでがんばろう!
きっと楽しいクリスマス会になるよ。
なんだったら、またくうちゃん連れてきてもいいからね。(^^♪