あるいは、進ませるべきか、どうか。
ときどき相談を受けます。
そんなとき、今は亡き江口寿子先生(一音会の創立者)の
ことばをいつも思い出します。
先生は言われました。
演奏家は、他人が「なれ」といって、なれるものではないわ。
そして演奏家になる人は、周囲のすべての人が
「なるな」といったところで、なるわ。
見えない綱で引き寄せられるように、どんどん音楽の世界に
引き込まれていってしまうのよ。
自分でも止めようがないの。
だって、音楽が、他の何より圧倒的に好きなのだもの!!
そして、こうも言われました。
音楽の道なんて、いつやめたっていい。
向いてないことをやり続けるほど苦しいことはないわ。
そしてね…そんなことで音楽を嫌いになったら、それが一番不幸なことなのよ!
とどのつまり、そういうことなのだと私も思います。
だから、江口先生のように私もまた、音楽の道に進むのを
すすめもしないし反対もしない人でおります。